クレジットカードを紛失したら、クレジットカード発行会社に連絡をして利用を止めてから、警察へ遺失届出書を出しましょう。
紛失後、この2つをすみやかに行えば、不正利用された場合でも補償を受けられる可能性があります。
クレジットカード発行会社に連絡した日からさかのぼって60日間が補償対象だからです。
慌てず落ち着いて対処できるように、クレジットカードを紛失したときにやるべきことを把握しておきましょう。
この記事でわかること
- クレジットカード紛失時のカード会社への連絡方法
- クレジットカード紛失時の警察への届け出内容
- クレジットカードの再発行
- クレジットカードの紛失防止策
目次
クレジットカードを紛失した際に取るべき4つの行動
クレジットカードを紛失したときは、すみやかに次の4つの行動を取りましょう。
紛失から時間がたてばたつほど、トラブルのリスクも高くなります。
クレジットカードの悪用や個人情報の流出など不正利用のトラブルを未然に防げるよう、できるだけ早く行動することが重要です。
また、不正利用に対する補償に関しても、早い行動が重要です。
不正利用に対しては、弊社は、三井住友カード会員規約第14条(会員保障制度)に基づき、特別なケースを除き、不正利用のご申告をいただいた日から遡って60日前までの利用について損害を補償いたします。
引用元:三井住友カード公式
クレジットカード発行会社では、盗難保険が付帯されているケースがほとんどです。
紛失についての連絡日から60日(あるいは61日)前以降に発生した不正利用の被害額が補償されるので、クレジットカードを紛失した場合はすぐにクレジットカード発行会社へ連絡しましょう。
ただし、紛失の連絡が遅れた場合や、クレジットカード保管義務に違反した場合は、支払い免除の対象となりません。クレジットカードを紛失した場合は、早めの行動が重要です。
紛失発覚後すぐにクレジットカード発行会社に連絡して利用を止める
クレジットカードを紛失した場合、すみやかにクレジットカード発行会社に連絡して、利用停止手続きをしましょう。
主要カード発行会社の緊急連絡先一覧
三井住友カード | ・国内での紛失・盗難に関する窓口 ・海外での紛失・盗難に関する窓口 |
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三菱UFJカード | ・カード盗難・紛失のご連絡 ・海外からのカード盗難・紛失時の連絡先 |
アメリカン・エキスプレス | ・カードの紛失・盗難時に ・グローバル・ホットライン 海外旅行先での日本語サポート |
JCBカード | ・カードの紛失・盗難 ・JCB紛失・盗難海外サポート |
UCカード | ・紛失・盗難連絡先 |
DCカード | ・カード盗難・紛失のご連絡 ・海外からのカード盗難・紛失時の連絡先 |
NICOSカード | ・カード盗難・紛失のご連絡 ・海外からのカード盗難・紛失時の連絡先 |
ダイナースカード | ・紛失・盗難の場合 |
楽天カード | ・カードの紛失・盗難・拾得 |
ライフカード | ・カード盗難・紛失のご連絡 |
オリコカード | ・カードの紛失・盗難連絡と手続きの流れ |
ジャックスカード | ・カード紛失・盗難のご連絡 |
迅速に利用停止手続きをしておくことで、不正利用された際に紛失や盗難保険の補償を受けられます。
ただし、補償されるのはクレジットカード発行会社に届け出てから一定期間内に限られるため注意が必要です。不正利用被害から時間が経過すると、届け出ても補償されない場合があるからです。
また、クレジットカードの利用停止手続きはインターネットからの対応も可能です。
インターネットやアプリで再発行手続きをする場合、各クレジットカード発行会社のホームページにある再発行手続きページより手順に沿って手続きをします。
例えば、三井住友カードは3ステップのみで紛失の手続きを行えます。三井住友カードの紛失手続きを例に取って確認してみましょう。
1.生年月日を入力して次へ進む。
2.紛失したカードを選択し、紛失状況を入力する。
3.再発行を希望する場合、手続きをする。
紛失時にクレジットカード発行会社へ伝えるべきこと
クレジットカードを紛失した際、クレジットカード会社に伝えるべきポイントは以下のとおりです。
とっさのことで慌ててしまうこともあるかもしれません。
不正利用や個人情報漏えいなどトラブルを防ぐためにも、落ち着いて少しでも早くクレジットカード会社へ連絡しましょう。
クレジットカード発行会社によっては一時的な利用停止サービスが使える
カード会社によっては、一時的な利用停止サービスも使えます。
クレジットカードの紛失場所が自宅内など見当がついている場合におすすめなサービスです。
クレジットカードが見つかるまで利用を一時停止し、発見してから利用を再開する方法なので、手続きを省けてスムーズです。
完全に利用停止の手続きを取ると、クレジットカードが見つかってもそのカードは使えません。
一時利用停止する場合は「クレジットカードを探す間だけ、利用できないようにしてほしい」と伝えましょう。
ただし、一時的な利用停止の制度がなく、再発行手続きが必要になるクレジットカード発行会社もあるので注意が必要です。
カードの利用を止めたらすぐにクレジットカードの遺失届出書を警察へ提出する
クレジットカード会社への連絡が済んだら、すみやかに警察へ「遺失届出書」を提出しましょう。遺失届出書は、居住地を管轄する都道府県警察のホームページでダウンロードできる場合もあります。
遺失届出書には次のことを記入します。
<遺失届出書の記載例>
最寄りの交番にも遺失届出書用紙が用意されていますので、出向いてその場で記入することもできます。
財布ごと紛失した場合、クレジットカードだけでなく、現金やキャッシュカード、健康保険証などもなくなっていることがほとんどです。紛失したものがしっかり見つかるように、できるだけ詳細かつ網羅的に記入しましょう。
遺失届出書の受付番号をクレジットカード発行会社に伝える
遺失届出書が受理されたら、その受付番号をクレジットカード発行会社に間違えのないように伝えましょう。
受付番号は、クレジットカード発行会社側が、紛失の事実を確かめるために必要な番号です。
クレジットカード会社への連絡は、「利用停止の依頼」と「遺失届出書の受付番号を伝える」の2回となります。遺失届出書の提出後は、受付番号の連絡を忘れないようにしましょう。
クレジットカード番号がわからない場合は利用明細やメールをチェック
「保有していたクレジットカードの番号がわからない」「どのカード会社だったかわからない」という場合は、自宅に届いている利用明細やメールなどをチェックし、どのクレジットカードを利用していたかリストアップしましょう。
クレジットカードが判明すれば、紛失や盗難にあった場合の連絡先がわかります。
書類が見つからないときは、信用情報機関で個人信用情報を開示してもらう方法もあります。
信用情報機関で情報開示を依頼する方法は、以下のWebサイトで紹介されています。開示には1,000円程度の費用が必要です。
クレジットカードの再発行手続きをする
紛失した、あるいは盗難にあった旨の連絡をしたクレジットカードはもう使えません。再発行の審査に通ったうえで、新しいクレジットカードを発行してもらうこととなります。
なお、クレジットカード発行会社に紛失・盗難の電話連絡をする際、再発行に関する流れも説明してもらえるため事前に確認しておきましょう。
- クレジットカード発行会社に再発行手続きの連絡をする
- 再発行に必要な書類が郵送される
- 書類に再発行に必要な情報を記載して返送する
- 新しいクレジットカードが届く
クレジットカードの再発行手続きをすると再発行に必要な書類が郵送されます。必要事項を記入して送り返しましょう。また、再発行には手数料がかかる場合があるため事前に確認しておくことをおすすめします。
なお、クレジットカード再発行には7〜10日間の期間が必要です。再発行にかかる目安日数も各クレジットカードの公式サイトや電話で確認できるため、問い合わせておきましょう。
クレジットカードの再発行手続きに必要なもの
クレジットカードの再発行手続きをする場合、本人確認書類や照会状、届出印など必要なものがあります。再発行手続きをする前に確認し、事前に準備しておきましょう。
本人確認書類は、下記のうちいずれかの書類のコピーまたは原本を提出することで手続きが可能です。
公共料金や会費など自動引き落としのクレジットカード情報を登録し直す
再発行後のクレジットカードは、公共料金や会費など、引き落とし先のクレジットカード情報を再度登録し直さなければいけません。
クレジットカードの番号やセキュリティコードは変わっているからです。登録し直さなければ支払いが適用されないので、再発行後にはクレジットカード情報の再登録を忘れずに行いましょう。
また、公共料金や会費の支払い方法の変更手続きに時間がかかってしまう場合があります。手続きが適用されていない期間は、料金の支払いができなくなってしまうため、注意が必要です。
事前に各支払先のサポート窓口などで、事情を説明しておくとよいでしょう。
海外でクレジットカードを紛失した場合の対処方法
海外でクレジットカードを紛失した場合は、各クレジットカード発行会社に連絡しましょう。日本語で対応してくれる窓口がほとんどのため、外国語が苦手な人でも利用できます。
どの国でクレジットカードを紛失したかによって、連絡する電話番号が変わるクレジットカードもあるため注意してください。
タイやエジプトでは、「ツーリストポリス」を設置しており、そこで紛失届の手続きが可能です。言語に不安がある人は、ツアーガイドや通訳の人に付き添ってもらうとよいでしょう。
届け出をした後は、「盗難証明書」「紛失証明書」を発行してもらえます。そして日本に戻ってからクレジットカードの再発行手続きをしましょう。
また、海外での滞在期間が残っていてクレジットカード使用を続けたい人は、「海外専用緊急再発行カード」の利用も可能です。利用を検討している人は、クレジットカード発行会社に問い合わせておきましょう。
クレジットカード紛失時の被害軽減策5つ
急なクレジットカードの紛失に備えて、被害軽減策を講じておきましょう。
1.クレジットカード裏面には署名を
再発行されたクレジットカードが届き次第、裏面に署名をしましょう。
裏面に署名していないクレジットカードは、不正利用による請求であっても支払いが免除されない場合もあるからです。きちんと裏面に署名があるカードであれば、各クレジットカード発行会社が規約に基づいて対応してくれます。
2.緊急時の連絡先がわかるようにしておく
保有しているクレジットカードの発行会社を確認し、紛失・盗難時の連絡先をメモしておきましょう。
スマートフォンに登録するのもいいのですが、カバンごと盗難にあった場合、スマートフォンも一緒に失う可能性もあります。その場合でも連絡先がわかるように、自宅の手帳にメモしておくなどアナログの対策を講じておきましょう。
3.財布に入れて持ち歩くクレジットカードの枚数を減らす
必要以上のクレジットカードを保有しないこともポイントです。あまりにも枚数が多いと、紛失に気づかないことがあるからです。例えば、クレジットカードを所有するのは3枚以内にすると決めるなど、ご自身が管理しやすい枚数にしましょう。
また、メインカードを持ち歩き用に、サブカードを自宅で保管するというのも一つの方法です。クレジットカードや財布を紛失した場合でも、手元に有効なクレジットカードが残っていることで、再発行手続き中に代用できます。
また、近年はデジタルカードも普及してきているので、カード自体を持たずに出かけることも可能です。その際にはスマホがカード代わりになるので、財布やカバンと同様に紛失しないよう気をつけましょう。
4.定期的に利用履歴を確認する
定期的に利用明細を見て、覚えのない利用履歴がないか確認しましょう。
不正利用をされていることに気づくのが遅れると、補償を受けられない可能性があるからです。
クレジットカード発行会社と警察にきちんと連絡をすることで、不正利用分を支払わなくてよい補償制度は受けられますが、カード会社ごとに補償の期限があります。
ほんの一瞬の紛失でも、不正利用される可能性はあるので、紛失や不正利用にいち早く気づくためにも、定期的に利用明細をチェックする癖をつけるとよいでしょう。
5.紛失しても大丈夫なクレジットカードに乗り換える
不正利用に不安をもつ人は、クレジットカード番号がない「ナンバーレスカード」がおすすめです。
ナンバーレスカードは、クレジットカード番号だけでなく、セキュリティコードや有効期限も記載されていない特徴があります。不正利用されるリスクを減らせるので、セキュリティ面に不安がある人におすすめのカードです。
また、スマートフォン上で発行されるクレジットカードに「デジタルカード」があります。画面上でのクレジットカードのため、物理的なクレジットカードを持ち歩く必要がなく、紛失リスクを抑えることが可能です。
クレジットカードの紛失に関する4つのQ&A
よくある質問を把握しておけば、いざというときの不安やトラブルを最小限に抑えることができます。事前に確認しておきましょう。
Q1.クレジットカードをなくしたかもしれません、どうすればいいですか?
すぐにクレジットカード会社に連絡して利用を止めてください。迅速に利用停止手続きをしておくことで、不正利用された際に紛失や盗難保険の補償を受けられます。
利用を止めたらすぐに遺失届出書を警察に提出しましょう。届けを出しておけば、万が一紛失したカードが不正利用されていた場合も、一部の場合を除き補償が受けられます。
Q2.クレジットカードの紛失で信用情報に傷はつく?
基本的には、何度クレジットカードを紛失したとしてもクレジットカードやローンの契約・申し込みで不利になる可能性は低くなっています。
クレジットカードを紛失し、クレジットカード発行会社に再発行手続きを申し出たとしても、信用情報にクレジットカードの紛失情報は記載されないからです。
ただし、不正利用防止のために、本人申告コメントを記載した場合は、信用情報に紛失の事実が記載されます。
信用情報とは、クレジットやローンの契約や申し込みに関する情報のことで、客観的な取引事実を登録した個人の情報です。
引用元:CIC(株式会社シー・アイ・シー)
クレジットカードにおいては、クレジットカード発行会社が顧客の信用を判断するための参考資料として利用されます。
Q3.紛失したクレジットカードが後から見つかった場合はどうすればいい?
紛失したクレジットカードを見つけた場合は、保管せずに磁気(ICチップ)の部分をハサミで切って破棄しましょう。
クレジットカード番号やセキュリティコードは、再発行時の手続きによって新たなものに変更されるので、見つかったとしてもそのクレジットカードは利用できません。
クレジットカードには、個人名が記載されているものも多いため、情報が残らないよう破棄しましょう。
Q4.紛失したクレジットカードの不正利用が補償されないケースとは?
不正利用が補償されないケースは以下のとおりです。
- クレジットカードおよびクレジットカード番号の、本人や家族・同居人・代理人による不正利用
- 損害の発生がクレジットカードの利用停止の手続きをした日の60日以前のもの
- 故意や過失により、本人ではない第三者に暗証番号が知られたと認めた場合
- 住所、氏名、電話番号などに変更が生じているにもかかわらず、遅滞なく所定の方法により、変更事項を届け出ていない場合
クレジットカードの不正利用があった場合、発覚から60日以内であれば不正利用についての補償が適用されます。補償適用外となるケースもあるため、補償を確実に受けるためにも把握しておきましょう。
クレジットカード紛失のまとめ
- 紛失発覚後すぐにクレジットカード発行会社に連絡して利用停止処置を取る
- 遺失届出書を警察に提出する
- クレジットカードの再発行手続き
- クレジットカード情報の再登録
クレジットカードの再発行は難しい手続きではありません。少しでも不安なことがあればクレジットカード発行会社に連絡して、相談しながら落ち着いて対処していきましょう。