
みなさんにお得な情報はもちろん、地元・佐世保の魅力を発信していきたい!
当メディアを運営している株式会社モデル百貨では、今回から佐世保の人・店・観光情報などをご紹介していきます。
第1回目は佐世保の地域密着型フリーペーパー『月刊ならでわ!』を発行している、有限会社 エスケイ・アイ・コーポレーションの中村 徳裕社長にお話を伺いました。
モデル百貨 代表 中島との対談記事になっています。
WEBと紙媒体、それぞれ立場の違う二人が、佐世保のいまとこれからについて語ります。

有限会社エスケイ・アイ・コーポレーション 代表取締役社長 中村徳裕さん
佐世保出身、佐世保育ち
東京でのサラリーマン生活を経て、会社を継ぐため佐世保へUターン。趣味のバイクツーリングが高じて、帰郷前に約3ヶ月のヨーロッパから北アフリカへの単独ツアーを決行。
現在は会社経営の傍ら、「YOSAKOIさせぼ祭り」や「させぼ夢大学」といった運営チームの一員として佐世保のまちを盛り上げる。また、趣味のバンドやギター、作曲活動、イベントMCなど表現者としての顔を持つ。

株式会社モデル百貨 代表取締役社長 中島洋三
埼玉県出身、佐世保育ち
2023年に株式会社モデル百貨 代表取締役に就任。「NCカード」をはじめとしたクレジットカード事業、「教育ローン」「医療ローン」などの金融商品を展開。
事業を通じて地域社会や経済の繁栄・発展に貢献したいと2024年9月にWEBメディア「暮らしのマネー百貨」をスタート。
趣味は写真撮影と登山。中村社長とは青年会議所で出会い、そこから35年のお付き合い。
“読者ファースト”をモットーに走り続けて
佐世保で25年にわたり親しまれているフリーペーパー『月刊ならでわ!』。“読者ファースト”をモットーに、毎月6万部が発行されています。
グルメや新店オープン、住宅から習い事など、暮らしに欠かせない情報で多くの読者のニーズに応えてきました。


『月刊ならでわ!』の誕生のきっかけは?
中村社長(以下:中村)
私は高校卒業後、進学を機に上京して、凸版印刷株式会社(現在のTOPPANホールディングス株式会社)に三年勤めました。それから1987年に父親と叔父が経営していた会社を継ぐため佐世保へ帰郷したんです。
その当時、佐世保はまだハウステンボスといった大きな観光名所がなく、長崎県全体のガイドブックの中のほんの数ページで紹介される程度でした。「佐世保にはもっといいところがあるのに、それじゃ悔しいよね」と、観光客だけでなく地元の人にも使ってもらえるガイドブックにしたいと『佐世保ならでわブック』を作ったのがきっかけです。「佐世保ならでは」にこだわりの「わ」を加えて、『ならでわ!』という商標をつくりました。

なんと製作期間は、中村社長が帰郷した1987年11月から3月までのたった4ヶ月間!
『佐世保くんち』や『アメリカンフェスティバル』といった祭り、佐世保バーガーやラーメン屋台などのご当地グルメ、伝統工芸や自然散策など、みずからの足で現地取材を重ね、地元愛たっぷりな一冊が完成しました。

中島
すごいですね。もともと取材が好きだったんですか?
中村
はい。以前いた印刷会社でも取材の仕事がしたかったんですけど、研修で頑張りすぎたら総務部で新人教育を任されるようになってしまいまして(笑)。本を作るのは憧れだったので。
この取材がきっかけで、『アメリカンフェスティバル』にすっかり魅了された中村社長。
イベントを通じてまちづくりにも関わりたいと佐世保青年会議所に入会し、実行委員メンバーに。
中島社長をはじめ地元有志たちと“明るい豊かなまちづくり”を合言葉にさまざまな地域活動を行う傍ら、2000年に創刊したのが『月刊ならでわ!』でした。

中村
毎月、佐世保の新しい情報を読者さんにお届けしたいという思いから発刊しました。おでかけや思い出作りに役立てて幸せを感じていただきたいです。
中島
佐世保青年会議所の“明るい豊かなまちづくり”につながっていますね。
中村
はい。おかげさまで、読者さんをはじめ広告を掲載してくださる事業者さまからも厚い信頼や応援の声をいただき、媒体の成長を心から実感しています。
佐世保の魅力と、これからの課題
フリーペーパーやガイドブックの制作を通じて、故郷・佐世保を見つめ直したという中村社長。
また、『アメリカンフェスティバル』に加え『YOSAKOIさせぼ祭り』や『させぼ夢大学』など、イベント運営にも関わっていくことで多くの人と繋がり、まちの魅力やポテンシャルの高さも感じることができたといいます。

中村
佐世保の人のあたたかさを、よく自衛隊や転勤族の方から評判として聞きます。
中島
個人的な見解ですが、佐世保はかつて佐世保鎮守府が置かれて急激に発展してきた歴史がある。それで県外あちこちから人が移住してきて、誰でもウェルカムな風潮があるんじゃないでしょうかね。
中村
確かに。僕が関わっているイベントも多くの方が盛り上げてくださって、ゲストさんが驚く場面もたくさんありました。
また、ジャズバーやアーケードなど演奏する場も多く、文化度の高さも感じます。
中島
美術館や博物館は、まだまだ伸びしろがあります。もう少し市の予算を投入しても良いかなと。
中村
でも、佐世保のこの規模でよく持ってこれたな~!と関心する展示がときどきありますね。
あと魅力は山や海といった自然が身近にあるところでしょうか。特に、今年で西海国立公園指定70周年を迎える『九十九島』は、もちろん絶景スポットとしても素敵ですが、マリンスポーツのフィールド、いわば“海のゲレンデ”としてもっと活用しても良いと思います。

撮影:中島社長
中島
私なんか、中学生の頃ちょっと学校をさぼってね、鹿子前から島まで船を漕いで行ったりして遊んでましたよ(笑)。
波が穏やかだから、子どもでも遊べるっていうのも魅力です。ちゃんと安全を確保すればね。実は私、カヤックにまだ乗ったことがなくて。今年は実現したいですね。
中村
幅の広い船体のものがおすすめです。細いものだと初心者はクルッとひっくり返っちゃいますよ(笑)。
あとは、ジャンルが違うかもしれませんが、『ハウステンボス』もありがたい場所だと思います。もう93歳になる私の母の健康の秘訣は、ハウステンボスでのウォーキングと音楽鑑賞、そしてゆったりとしたカフェタイムでした。
つい先月も、連れて行って一緒にカフェしたんです。観光客だけじゃなくて、地元の人ももっと楽しんだ方が良いですよ!

逆に、佐世保の課題は何でしょう?
中島
若者がもっと市街地に気軽にアクセスできるような仕掛けがほしいです。
特に最近は交通機関の減便や運賃の増加で、負担も多いのではないかと。往復するだけでもランチ代を超えちゃうわけじゃないですか。

中村
そうですね、長崎市の路面電車は運賃が一律140円ですし、移動しやすいですよね。
佐世保でも、例えば大学と相浦の自衛隊官舎、佐世保市街地をピストンするような交通機関があったら良いですね。いまはバスの減便で『させぼ夢大学』などのイベントで、終了後に晩御飯を食べてゆったり過ごす…なんてことができなくなったんですよ。
中島
ドライバー不足など、課題はいろいろありますね。
中村
学生さんたちや若い方が、まちともっと関わりあうことで、卒業後も愛着を持って残ってくれたり、Uターンに繋がったりと良い効果があるでしょう。
中島
昔と違っていまは、地方にいてもリモートで仕事ができたり、働き方も多様化していますね。もっと多くの会社でこれが普及してくれればいいね。
あともうひとつ。前から思っているのですが、佐世保でもやはり空き家問題は深刻ですね。格安でリフォームしてネット環境も整えれば、移住者も増えるのではないでしょうか?
中村
進学で、せっかく佐世保に来てくれた学生さんたちも、もっと快適な働き方や住まいが佐世保で増えれば、都会への一極集中や人口減少をちょっと止められるかもしれませんね。
時代に合わせた、持続可能な発信を
これまで、佐世保の魅力や課題についてお二人のお話をうかがってきました。
情報発信も紙媒体からテレビ、インターネット、SNSへと移り変わっていますが、中村社長はどう感じられるでしょうか。
中村
いまはやはり紙からデジタルに移ってきているとは思いますので、デジタルブックとしてスマホでも見られるようにしたり、YouTube動画を制作したりと、いろいろと試行錯誤しています。

中島
6年前、ジャパネットたかたさんのスタジオ見学に行ったときに、「テレビと、カタログとネットと、どの通販が一番効果がありますか?」って聞いたんですよね。そしたら、「時間を置いてまた見返したり、これもいいなと別の商品も見つけたりするきっかけになるからカタログが良いです」って言われたんですよ。
中村
作り手の想いも含めて、紙媒体には付加価値がありますよね。
中島
いつかなくなってしまうかも、といった危機感はありますか?
中村
「読者さんが必要とする情報」という、コンテンツの本質は変わらないと思っています。
中島
『月刊ならでわ!』での情報発信はもちろん、まちづくりにも関わっていきたい?
中村
そうですね。私の憧れでもある『ジャパネットたかた』の髙田明会長がよくおっしゃる“オール長崎”、県全体を盛り上げようという思いを胸に、もっと佐世保の魅力も高めていきたいですね。
取材後記
取材後、『月刊ならでわ!』の印刷工場を見学させてもらいました。
『月刊ならでわ!』の誌面に印刷機から放たれる熱以上のあたたかさを感じたのは、きっと、一冊一冊に佐世保愛と読者さんへの愛がこもっているからかもしれません。
株式会社 モデル百貨では、これからも佐世保の魅力的な人・店・観光情報をお伝えしていきます!
